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Cell Signaling Technology® SignalStarマルチプレックス免疫組織化学染色アッセイの手動プロトコール

製品情報:

signalstar-8plex  

保存:キットのすべての構成品を-20°Cで保存してください。

安定性:キットのすべての構成品は、推奨された温度で保存した場合、少なくとも12 か月間安定性を維持します。5回を超える凍結/解凍サイクルは、行わないでください。

適用:SignalStarキットは、蛍光マルチプレックス免疫組織化学染色を行う際にご使用いただけます。

スライド数:このキットには、10枚のスライドの染色に必要な材料が含まれています。

SignalStarの記号

目次


1 はじめに:SignalStar™染色の方法論


SignalStar™マルチプレックス免疫組織化学染色 (mIHC) は、抗体やオリゴヌクレオチド (オリゴ)、蛍光色素を用いて標的の細胞内での存在や局在、機能、バイオマーカーとの共発現パターンを調査するための技術です。SignalStar技術は、空間的な配置と組織の構造を保持しつつ、複数の標的の表現型および機能を検出できます。細胞が、どのようにして組織化し、疾患進行や治療への応答を制御する組織の微小環境に影響を与えるかを理解するためには、これらの知見が不可欠です。

SignalStarシステムの能力の源は、SignalStarに用いる抗体のデザインに存在します。これらの抗体は、ホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 組織で用いるために厳密に検証されており、その後、部位特異的な標識と徹底した精製法を用いて各オリゴヌクレオチド (オリゴ) タグに結合させます。高度に特異的な、相補的なオリゴのネットワークと蛍光色素を用いることにより、科学者は、存在量が低いものも含めて3-8種類の標的のシグナルを増幅できます。

SignalStar Multiplex IHCのワークフロー図

図 1: ご希望のプレックスサイズ (最大3-8種類のオリゴ標識抗体) のすべての抗体のカクテルを、1回の一次抗体インキュベーションステップの際に同時に添加します。蛍光色素標識済みの相補的なオリゴ (チャンネル:488、594、647、750) を用いて、オリゴ-蛍光色素のコンストラクトを構築して抗体に結合させることにより、1回目のイメージングラウンドで最大4種類のオリゴ標識抗体のシグナルが増幅できます。プレックスのサイズが4より大きい場合は、1ラウンド目のオリゴと蛍光色素分子を穏やかに除去し、2ラウンド目で、最大4種類の追加のオリゴ標識抗体を可視化するための増幅を行います。この相補的なオリゴシステムと蛍光色素の除去プロセスにより、交差反応を示すことなく、同じ基質を用いて2ラウンド目の抗体シグナルを増幅できます。その後、お手持ちの、または無料のソフトウェアを用いて、コンピューター上で2つの画像を結合し、最大8種類の標的で構成される画像を作成することができます。

2 溶液および試薬


2.1 キットに含まれる構成品

キットに含まれる材料
最大8種類のSignalStarオリゴ標識抗体 (以下を参照)
最大8種類のSignalStar相補的オリゴ (以下を参照)
SignalStar™ Antibody Diluent A
SignalStar™ Antibody Diluent B
SignalStar™ Amplification Buffer A
SignalStar™ Amplification Buffer B
SignalStar™ Amplification Oligo Set A:
 488
 594
 647
 750
SignalStar™ Amplification Oligo Set B:
 488
 594
 647
 750
SignalStar™ Ligation Buffer
T4 DNA Ligase (5 U/µL)
ATP (100 mM)
10X dsDNase Buffer
dsDNase
 

キットには、ご注文時にお選びいただいた最大8種類のSignalStarオリゴ標識抗体 (A) および最大8種類のSignalStar相補的オリゴ (B) が含まれており、これらはオリゴ-抗体ペア (C) として共に梱包されています。以下の例をご参照ください。

SignalStarオリゴヌクレオチド標識抗体

2.2 含まれていない必要な試薬

  • SignalStain® EDTA Unmasking Solution (10X) #14747
  • キシレン (脱パラフィン用)
  • エタノール、無水変性、病理学グレード (100%および95%)
  • Decloaking Chamber (自動抗原賦活化装置) (Biocare Medical社、#DC2012)
  • Tris Buffered Saline with Tween 20 (TBST-10X) #9997
  • DAPI #4083
  • ProLong Gold Antifade Reagent #9071
  • Nuclease-free Water #12931
  • 10%中性緩衝ホルマリン液
  • 低吸着ピペットチップ
  • スライド処理コンテナ
  • 撥水性バリアペン
  • カバースリップ
  • 帯電スライド
  • コントロール組織

3 開始前の重要な考慮事項


警告

同じチャンネルの相補的なオリゴを組み合わせないでください。1回のイメージングラウンドに含めることができる、各蛍光チャンネルの相補的なオリゴは1つのみです。同じイメージングラウンドで同じ蛍光チャンネルに特異的な相補的なオリゴを組み合わせると、アッセイの結果が解釈不能になる可能性があります。

 
警告

異なるパネルの抗体を組み合わせないでください。 同時に複数のパネルを実行する場合は、パネルごとに個別の抗体/相補的なオリゴの混合物を作成する必要があります。

注意

SignalStarパネルデザインにおいて、2ラウンドのイメージングを必要とするか否かを確認してください。このページのセクション9.1および8.1に記載しているSignalStarパネルデザインの例SignalStarパネルデザインワークシートをお役立てください。

注意

使用を予定している顕微鏡が、このキットに含まれる蛍光色素を検出できるかを確認してください。 イメージングの際に、DAPIに加えて4蛍光チャンネルが必要になります。

 
蛍光色素チャンネル 励起波長 (nm) 放射波長 (nm) レーザー線 一般的なフィルターセット
488 488 520 488 FITC
594 590 618 561/594 Texas Red
647 650 668 594/633 Cy®5
750 752 776 633 Cy®7
注意

上記のスペクトルを用いて単一染色したスライドのイメージングによる、スペクトルライブラリーの作成を推奨します。 これにより、スペクトルの漏れ込みの最小化に役立つ、スペクトルの分離が可能になります。

注意

DAPIを含むマウント液ではなく、DAPI濃縮液の使用を推奨します。 明るいDAPI染色は、より良い画像の結合に役立ちます。

注意

溶液が十分に攪拌されていない場合、蛍光シグナルが変化する、または消失する可能性があります。 低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。 使用時以外は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上で保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

注意

可能な限り、染色が完了してから8時間以内にスライドのイメージングを行ってください。 この時間内にスライドのイメージングが行われない場合、蛍光シグナルが消失する可能性があります。

注意

このプロトコールからの逸脱がある場合、結果は保証できません。 SignalStarプロトコールは、指定された抗原除去と染色ステップに合わせて開発および最適化されています。

注意

ポジティブコントロールスライドの使用を推奨します。 マルチプレックスパネル内のすべての標的が存在することを発色染色で確認した組織を、各染色に含めることを推奨します。

注意

各抗体を1:100で使用することを推奨します。 ただし、1:50または1:200希釈のいずれかで使用した場合でも十分な量の抗体試薬を提供しています。

注意

染色プロセスの間では、スライドを乾燥させないように、可能な限りインキュベーション溶液とdH2Oを吸引除去します。 次のステップに進む前に、各ステップの後でスライドから液体を振り落としてください。

4 SignalStarイメージングラウンド1:溶液の調製


4.1 イメージングラウンド1:SignalStar Solution

注意

調製後の溶液は、キットのご注文時にお選びいただいたすべての抗体 (イメージングラウンド1とイメージングラウンド2を合わせて最大8種類) と、イメージングラウンド1の相補的なオリゴが含まれている必要があります。このページの9.1および8.1に記載しているSignalStarパネルデザインの例SignalStarパネルデザインワークシートをお役立てください。

警告

同じ蛍光チャンネルの相補的なオリゴを組み合わせないでください。

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStarAntibody Diluent A 525 1,050
SignalStarAntibody Diluent B 225 450
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 1 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 2 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 3 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 4 (必要に応じて) 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 5 (必要に応じて) 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 6 (必要に応じて) 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 7 (必要に応じて) 7.5 15
SignalStar Oligo-Conjugated Antibody 8 (必要に応じて) 7.5 15
イメージングラウンド1:SignalStar Complementary Oligo 1 7.5 15
イメージングラウンド1:SignalStar Complementary Oligo 2 7.5 15
イメージングラウンド1:SignalStar Complementary Oligo 3 7.5 15
イメージングラウンド1:SignalStar Complementary Oligo 4 (必要に応じて) 7.5 15
総量 840 1,680

4.2 イメージングラウンド1:SignalStar Amplification Solution 1

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Amplification Buffer A 3,000 6,000
SignalStar Amplification Buffer B 3,000 6,000
SignalStar Amplification Oligo A-488 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-594 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-647 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-750 60 120
総量 6,240 12,480

4.3 イメージングラウンド1:SignalStar Amplification Solution 2

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Amplification Buffer A 3,000 6,000
SignalStar Amplification Buffer B 3,000 6,000
SignalStar Amplification Oligo B-488 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-594 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-647 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-750 60 120
総量 6,240 12,480

4.4 イメージングラウンド1:SignalStar Ligation Solution

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください

 

キット構成品/試薬
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Ligation Buffer 375 750
Nuclease-free Water #12931 352.5 705
T4 DNA Ligase (5 U/µL) 15 30
ATP (100 mM) 7.5 15
総量 750 1,500

4.5 含まれていない追加的に必要な溶液

  • 1X EDTA Unmasking Solution:250 mLの1X EDTA Unmasking Solutionを調製する場合は、25 mLのSignalStain® EDTA Unmasking Solution (10X) #14747を225 mLのdH2Oで希釈してください。
  • 10%中性緩衝ホルマリン液
  • 1X Tris Buffered Saline with Tween‭20 ‬(TBST):1 Lの1X TBST を調製する場合は、10 mLのTris Buffered Saline with Tween 20 (TBST-10X) #9997を、900 mLのdH2Oに加え、攪拌してください。

5 SignalStarイメージングラウンド1:プロトコール


5.1 スライドベーキング

注意

実験開始の前日にスライドベーキングを行うことができます。 このステップで、パラフィンワックスを融解させます。

 

1. スライドを60°Cで30分間インキュベートしてください。

5.2 脱パラフィン/水和

注意

スライドの脱パラフィン後は、どの時点でもスライドを乾燥させないようにしてください。すべてのインキュベーションステップで、加湿チャンバーを使用してください。各溶液で組織の全体を確実にカバーしてください。

 

2. 切片をキシレン洗浄液に浸し、5分間インキュベートしてください。3回繰り返します。

 

3. 切片を100%エタノール洗浄液に浸し、10分間インキュベートしてください。2回繰り返します。

 

4. 切片を95%エタノール洗浄液に浸し、10分間インキュベートしてください。2回繰り返します。

 

5. 切片をdH2Oに浸し、5分間洗浄してください。2回繰り返します。

5.3 抗原賦活化

注意

エピトープを最大限に賦活化するために、自動抗原賦活化装置 (圧力釜) を用いたEDTAによる抗原賦活化を推奨します。このプロトコールでは、Biocare Medical社のDecloaking Chamber (#DC2012) 用の推奨条件を記載しています。他の抗原賦活化装置では、設定や操作方法が異なります。

 
6. 
 
室温で250 mLの1X EDTA Unmasking Solutionが入った24スライド用ホルダーに、スライドを設置してください。スライドホルダーがすべて埋まるように、ブランクのスライドを加えてください。
 

7. 500 mLのdH2Oを自動抗原賦活化装置 (圧力釜) に入れてください。

 

8. スライドホルダーをヒートシールドの上に乗るよう自動抗原賦活化装置 (圧力釜) 内に置いてください。スライドコンテナ用の蓋で、部分的にカバーしてください。

注意

ブランクのスライドと、250 mLの水​が入った24枚用スライドホルダーも自動抗原賦活化装置 (圧力釜) に入れることを推奨します。

 

9. 蓋を閉めて、賦活化を進めてください。Biocare Medical社のDecloaking Chamber (#DC2012) 用の設定は、以下をご覧ください:

  1. SP1:125°Cで30秒間
  2. SP2:90°Cで10秒間
 

10. 慎重に装置の排気を行い、その後、蓋を外してください。

 

11. 自動抗原賦活化装置 (圧力釜) からスライドを取り出し、ベンチトップ上で10分間冷却してください。

 
12.    スライドのコンテナをdH2Oの蛇口の下に置き、EDTAがdH2Oに置換されるまでスライドコンテナに直接水を加えてください。

5.4 イメージングラウンド1:染色

 

13. スライドを150 µLのSignalStar Imaging Round 1 Solutionに浸し、室温で40分間インキュベートしてください。

注意

プロトコールを複数の日に分けて行う場合は、スライドをSignalStar Imaging Round 1 Solutionに浸し、4°Cで一晩インキュベートすることができます。

 

14. スライドから液体を完全に振り落として、1X TBST中に30秒間浸してください。

 

15. スライドを10%中性緩衝ホルマリン液に浸し、室温で5分間インキュベートしてください。

 

16. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

5.5 イメージングラウンド1:増幅

 
17. 
 
Amplification Solutions 1および2を用いて、8ラウンドの増幅を行ってください。セクション8.2に記載しているSignalStarイメージングラウンド1チェックリストを用いて進捗を追跡してください。各増幅ラウンドでは、以下のステップを行ってください:
  1. スライドを150 µLのAmplification Solution 1に浸し、8分間インキュベートしてください。
  2. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。
  3. スライドを150 µLのAmplification Solution 2に浸し、8分間インキュベートしてください。
  4. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

5.6 イメージングラウンド1:ライゲーション

 

18. スライドを150 µLのSignalStar Ligation Bufferに浸し、室温で20分間インキュベートしてください。

 

19. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

5.7 イメージングラウンド1:イメージング

 

20. データシートの指示に従って、DAPI #4083溶液を調製してください。

 

21. スライドを1X TBST中に30秒間浸してください。

 

22. DAPI溶液で対比染色してください。

 

23. スライドを1X TBST中に30秒間浸してください。

 

24. スライドをProLong Gold Antifade Reagent #9071でマウントしてください。

 

25. 可能な限り速やかにスライドのイメージングを行ってください。最大8時間は強いシグナルが得られます。

6 SignalStarイメージングラウンド2:溶液の調製


注意

SIGNALSTARイメージングラウンド2は、2つのイメージングラウンドを必要とする抗体パネルに対してのみ必要です。このページの9.1および8.1に記載しているSignalStarパネルデザインの例SignalStarパネルデザインワークシートをお役立てください。

6.1 イメージングラウンド2:SignalStar Fluorescent Removal Solution

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。 混合したら、SignalStar溶液を室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品/試薬
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
10X dsDNase Buffer 75 150
dsDNase 7.5 15
Nuclease-free Water #12931 667.5 1,335
総量 750 1,500

6.2 イメージングラウンド2:SignalStar Solution

注意

混合したSignalStarイメージングラウンド2溶液は、イメージングラウンド2用の相補的オリゴヌクレオチドのみを含んでいなければなりません。このページの9.1および8.1に記載しているSignalStarパネルデザインの例SignalStarパネルデザインワークシートをお役立てください。

警告

SIGNALSTARイメージングラウンド2溶液に、オリゴヌクレオチド標識抗体を加えないでください。

警告

同じ蛍光チャンネルの相補的なオリゴを組み合わせないでください。

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Antibody Diluent A 525 1,050
SignalStar Antibody Diluent B 225 450
イメージングラウンド 2:SignalStar Complementary Oligo 5 7.5 15
イメージングラウンド 2:SignalStar Complementary Oligo 6 (必要に応じて) 7.5 15
イメージングラウンド 2:SignalStar Complementary Oligo 7 (必要に応じて) 7.5 15
イメージングラウンド 2:SignalStar Complementary Oligo 8 (必要に応じて) 7.5 15
総量 780 1,560

6.3 イメージングラウンド2:SignalStar Amplification Solution 1

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Amplification Buffer A 3,000 6,000
SignalStar Amplification Buffer B 3,000 6,000
SignalStar Amplification Oligo A-488 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-594 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-647 60 120
SignalStar Amplification Oligo A-750 60 120
総量 6,240 12,480

6.4 イメージングラウンド2:SignalStar Amplification Solution 2

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Amplification Buffer A 3,000 6,000
SignalStar Amplification Buffer B 3,000 6,000
SignalStar Amplification Oligo B-488 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-594 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-647 60 120
SignalStar Amplification Oligo B-750 60 120
総量 6,240 12,480

6.5 イメージングラウンド2:SignalStar Ligation Solution

注意

低吸着ピペットチップを用いてすべてのSignalStarキット構成品を混合し、室温で20分間、ローテーターで転倒混和してください。正確性を確保するために、ゆっくりとピペッティングしてください。溶液を調製する際は、すべてのSignalStarキット構成品を氷上に保存してください。混合した後のSignalStar溶液は、室温で保存して速やかに使用してください。

 

キット構成品/試薬
必要な容量
5スライド (µL) 10スライド (µL)
SignalStar Ligation Buffer 375 750
Nuclease-free Water #12931 352.5 705
T4 DNA Ligase (5 U/µL) 15 30
ATP (100 mM) 7.5 15
総量 750 1,500

7 SignalStarイメージングラウンド2:プロトコール


注意

SIGNALSTARイメージングラウンド2は、2つのイメージングラウンドを必要とする抗体パネルに対してのみ必要です。このページの9.1および8.1に記載しているSignalStarパネルデザインの例SignalStarパネルデザインワークシートをお役立てください。

注意

イメージングが完了するとすぐに、別のラウンドのイメージングが行えるように、蛍光シグナルをスライドから取り除けます。イメージングの第一のラウンドに続いて、可能な限り次のステップのセットを行ってください。

7.1 蛍光シグナルの除去

 

1. イメージの取得後に、組織を損傷することなく穏やかにカバースリップを取り外すために、スライドをdH2O中に30分間以上浸漬してください。

 

2. 150 µLのSignalStar Fluorescent Removal Solutionに37°Cで2時間スライドをインキュベートしてください。

 

3. スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。

 

4. オプション:

  1. ProLong Gold Antifade Reagent #9071 with DAPI #4083中にスライドをマウントし、蛍光シグナルが残っていないことを確認するためにスライドを撮像してください。
  2. dH2O中にスライドを30分間以上浸漬して組織を損傷することなくカバースリップを穏やかに外してください。
  3. スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。

7.2 イメージングラウンド2:染色

 

5. 150 µLのSignalStarイメージングラウンド2溶液に室温で40 分間スライドをインキュベートしてください。

 

6. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

7.3 イメージングラウンド2:増幅

 
7. 
 
Amplification Solutions 1および2を用いて、8ラウンドの増幅を行ってください。セクション8.3中のSignalStarイメージングラウンド2チェックリストを使って進捗を追跡してください。 各増幅ラウンドでは、以下のステップを行ってください:
  1. スライドを150 µLのAmplification Solution 1に浸し、8分間インキュベートしてください。
  2. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。
  3. スライドを150 µLのAmplification Solution 2に浸し、8分間インキュベートしてください。
  4. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

7.4 イメージングラウンド2:ライゲーション

 

8. スライドを150 µLのSignalStar Ligation Bufferに浸し、室温で20分間インキュベートしてください。

 

9. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

7.5 イメージングラウンド2:イメージング

 

10. データシートの指示に従って、DAPI #4083溶液を調製してください。

 

11. スライドを1X TBST中に30秒間浸してください。

 

12. DAPI溶液で対比染色してください。

 

13. スライドを1X TBST中に30秒間浸してください。

 

14. スライドから液体を完全に振り落として、dH2O中に30秒間浸してください。

 

15. スライドをProLong Gold Antifade Reagent #9071でマウントしてください。

 

16. 可能な限り速やかにスライドのイメージングを行ってください。最大8時間は強いシグナルが得られます。

8 ユーザーワークシート


8.1 SignalStarパネルデザインワークシート

オリゴ標識抗体 相補的オリゴ イメージングラウンド 488 594 647 750
             
             
             
             
             
             
             
             

(付録9.1でパネルデザインの例をご覧ください。)

8.2 SignalStarイメージングラウンド1チェックリスト

増幅ラウンド ステップ# 手順
増幅ラウンド1 1 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
2 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
3 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
4 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド2 5 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
6 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
7 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
8 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド3 9 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
10 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
11 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
12 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド4 13 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
14 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
15 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
16 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド5 17 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
18 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
19 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
20 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド6 21 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
22 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
23 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
24 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド7 25 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
26 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
27 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
28 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド8 29 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
30 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
31 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
32 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。

8.3 SignalStarイメージングラウンド2チェックリスト

増幅ラウンド ステップ# 手順
増幅ラウンド1 1 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
2 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
3 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
4 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド2 5 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
6 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
7 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
8 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド3 9 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
10 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
11 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
12 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド4 13 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
14 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
15 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
16 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド5 17 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
18 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
19 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
20 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド6 21 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
22 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
23 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
24 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド7 25 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
26 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
27 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
28 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
増幅ラウンド8 29 SignalStar™Amplification Solution 1中で8分間インキュベートしてください。
30 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。
31 SignalStar™Amplification Solution 2中で8分間インキュベートしてください。
32 スライドを精製水 (dH2) に30秒間浸してください。

9 付録


9.1 SignalStarパネルデザインの例

オリゴ標識抗体 相補的オリゴ 製品ペア# イメージングラウンド 488 594 647 750
PD-1 (Intracellular Domain) (D4W2J) XP® Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0008) 相補的オリゴ
(CO-0008-488)
17942 1      
PD-L1 (E1L3N®) XP® Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0005) 相補的オリゴ
(CO-0005-594)
28249 1      
TIM-3 (D5D5R™) XP® Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0010) 相補的オリゴ
(CO-0010-647)
15231 1      
Ki-67 (8D5) Mouse mAb (SignalStar™ Conjugate 0014) 相補的オリゴ
(CO-0014-750)
56398 1      
CD8ɑ (D8A8Y) Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0004) 相補的オリゴ
(CO-0004-488)
45747 2      
CD68 (D4B9C) XP® Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0007) 相補的オリゴ
(CO-0007-594)
77318 2      
CD20 (E7B7T) XP® Rabbit mAb (SignalStar™ Conjugate 0011) 相補的オリゴ
(CO-0011-647)
36775 2      
Pan-Keratin (C11) Mouse mAb (SignalStar™ Conjugate 0003) 相補的オリゴ
(CO-0003-750)
97227 2      

9.2 トラブルシューティングとよくある質問

SignalStar Multiplex IHCのキットと試薬はどのように検証されていますか?

CSTは、SignalStar Multiplex IHCパネルビルダーでお選びいただける各抗体を入念に検証しています。また、イメージングの両ラウンドにおいて、タイトレーションや蛍光色素との組み合わせを通じて、抗体の様々な条件を試験しています。試験は、様々な腫瘍や組織を用いて行います。また、従来の発色アッセイに用いられる親抗体は、この蛍光アッセイの基礎となるため、厳密に試験されています。

このアッセイは凍結した組織で機能しますか?

SignalStar Multiplex IHCのキットと試薬は、凍結された組織での使用はまだ検証されていません。現在、新鮮な組織または凍結組織で用いるために、弊社の抗体とプロトコールを検証しています。

抗マウス抗体はありますか?

SignalStar Multiplex IHCキットと試薬は、マウス組織での使用に対してはまだ検証されていません。現在、マウスに反応する抗体を検証しています。

抗体のリストに目的の標的が見当たりません。他の方法で手持ちのパネルに追加することができますか?

SignalStar Multiplex IHCキットと試薬は、リストに含まれない抗体の利用についてはまだ検証されていません。現在、SignalStar Multiplex IHCアッセイで、お手持ちの抗体を使用するためのカスタムソリューションを開発中です。

このアッセイに用いる抗体と直接標識を組み合わせることはできますか?

SignalStar Multiplex IHCキットと試薬は、直接標識抗体と組み合わせての使用についてはまだ検証されていません。直接標識抗体をプロトコールに取り入れることは可能であると考えられます。しかし、SignalStar試薬は、蛍光シグナルを増幅するという利点があるため、増幅されていない直接標識抗体と共に使用した際に、スペクトルの漏れ込みが発生する可能性があります。

連続切片のSignalStar染色を発色染色と比較すると、より多くの陽性細胞が見えます。この過剰な染色が正しいどうかを、どのように確認すれば良いですか?

最適化の過程で、蛍光染色では発色染色よりも高い陽性率 (%) を示す可能性があることがわかりました。過剰な染色が特異的であることを確認するには、細胞内局在や、他の染色と共局在性が正しいことを確認してください。例えば、すべてのCD8陽性細胞がCD3陽性である場合、発色染色と比較して過剰なCD8陽性細胞は、正しい染色である可能性が高くなります。

染色が完了してからスライドをイメージングするまで、どのぐらいの時間を置くことができますか?

1回目のイメージングラウンドは、染色完了後、最大8時間後までのイメージングにおいて強いシグナルを示すと考えられます。2回目のイメージングラウンドでは、イメージングは染色完了後に可能な限り速やかに行うべきですが、最大8時間後まではシグナルは強いと考えられます。

使用を予定している組織の種類に対して、SignalStarキットと試薬を最適化する必要がありますか?

SignalStar Multiplex IHCのキットと試薬は、蛍光色素の組み合わせと抗体の染色順について最適化されています。標的の特性と発現レベルは組織によって異なるため、パネル内の抗体濃度を2倍に増やす、または0.5倍に減らすなどの調整により実験で最適なシグナルを得ることができます。

このアッセイに含むべき適切なポジティブコントロールは何ですか?複数のコントロールが必要ですか?

各標的について、発色IHCで陽性であることことが示されたあらゆる組織が、ポジティブコントロール組織として機能します。標的ごとにポジティブコントロールが必要であるため、複数のコントロールが必要になる場合もあります。最適な比較を行うために、切片は可能な限り連続に近いものを用いてください。

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更新:2023年7月