リン酸化セリン/トレオニン結合: BRCT ドメイン(領域)
The C-terminal BRCT domain of XRCC1.
ドメインの結合および機能
BRCT(BRCA1 C-Terminal)ドメインは最初、BRCA1 遺伝子のC末端の配列を解析して同定された。このドメインはがんになると変異(切断あるいは欠失)する1対の反復配列を持つことから、この部位がBRCA1 腫瘍抑制機能に必須であることを示す。単一のBRCT 反復配列が見つかっている(すなわち、XRCC1 およびDNA ligase III)が、同定されたBRCT タンパク質の大部分は多くの反復を持つ。BRCT を含むタンパク質は、DNA 修復、DNA 損傷応答および細胞周期の制御の過程でタンパク質-タンパク質間相互作用を管理する。多くの場合、タンデムに並んだBRCT 反復配列はリン酸化ペプチド結合ドメインを構成し、それはC末端のアミノ酸残基にコードされるリガンド特異性を持ち、決定基となるリン酸化セリンに結合する。リン酸化ペプチド結合は、N末端およびC末端の反復配列の両方が関与する溝の中で起こり、リン酸化セリンを含むペプチドに対する特異性を示す。
構造
BRCT ドメインは約90-100アミノ酸残基を持つ反復配列からなる。それぞれのBRCT 反復配列は特徴的な折りたたみ構造を持ち、中心部に平行する4本の標準的なβ‐シートと、それに沿ってβ‐シートの1つの面に向き合って詰め込まれた1対のα‐ヘリックス、およびこのβ‐シートの反対側の面に向かって詰められた1本のα‐ヘリックスからできている。数々の鍵となる疎水性残基がBRCT の折りたたみ構造を維持しているため、α1、α3 および中央のβ‐シートの配置はすべての反復配列で保存されている。BRCT1 における2つのBRCT 反復配列は、頭部と尾部が合わさる形で相互作用する。この配置において、1つのBRCT ドメインのC末端側半分がフェニルアラニン(Phe)に対する疎水ポケットを生じるのにつれて、この同じドメインのN末端側の半分がリン酸化セリン(pSer)に対するポケットを形成する。
参考文献
- Shiozaki, E. N. et al. (2004) Mol. Cell. 14, 405–412.
- Clapperton, J.A. et al. (2004) Nature Struct. Biol. 11(6), 512–518.
- Williams, R. S. et al. (2004) Nature Struct. Biol. 11(6), 519–525.
例: ドメインタンパク質
例: ドメインタンパク質と結合パートナー
| BRCT Domain Proteins | Binding Partners | Phosphopeptide Ligands |
| BRCA1 | BACH1, p53, CtIP, HDACs, CBP | pSer-X-X-Phe |
| XRCC1 | LigIIIα | |
| XRCC4 | DNA Ligase IV | |
| TOPBP1 | E2F1 | |
| 53BP1 | p53 | |
| RAD9 | RAD4 | pSer-[YILQP]-I-I |
| BARD | pSer-[DE]-[DE]-E | |
| MDC1/NFBD1 | H2AX | pSer-Φ-[EVDI]-Ω |
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生
