リン脂質結合: FERM ドメイン(領域)

Phospholipid Binding: FERM Domain

The FERM domain of mouse Radixin bound to Ins(1,4,5)P3 (red).

ドメイン結合および機能

以前にはB4.1(band 4.1)相同性およびERM ドメインとして知られていたが、FERM ドメインは、このドメインが元々記載された4つのタンパク質、すなわち、Band 4.1(F)、Ezrin(E)、Radixin(R)、およびMoesin(M)に対して命名された。FERM ドメインは、約150アミノ酸残基の長さを持ち、細胞膜と細胞骨格のインターフェース(境界面)に局在する、細胞骨格会合タンパク質にある。FERM ドメインは、PIP2 で調節されるERM(Ezrin/Radixin/Moesin)タンパク質の膜への結合を担うが、これは、アクチンフィラメントを接着タンパク質につなぐことによって、細胞骨格を膜に会合させることになる。FERM ドメインを持つアダプタータンパク質のMerlin は、がん抑制因子として作用することが示された。FERM ドメインは3つの分葉を持つが、N末端の分葉はユビキチンに似ていて、中央の分葉はアシルCoA(acyl-CoA)結合タンパク質に似ており、そしてC末端の分葉はPTB ドメインと類似の構造を持つ。IP3 に結合したラジキシン(Radixin)のFERM ドメイン構造が解析された。すなわち、ホスホイノシチドの結合は、FERM の中のPH の折りたたみ(PH-fold)のサブドメインによるのではなく、このモジュールのどちらかといえば平坦な表面上にある2つのサブドメインの間の裂け目で起きている。FERM ドメインはまた、細胞骨格のシグナルと膜の動きをつなぐために、PIP2 の調節を受けて、接着タンパク質に結合すると考えられている。

参考文献

  1. Hamada, K. et al. (2000) EMBO J. 19(17), 4449–4462.

例: ドメインタンパク質

Phospholipid Binding: FERM Domain

例: ドメインタンパク質と結合パートナー

FERM Domain Proteins Motif Binding Partners
Talin NPxY integrin β subunits2.
Radixin IP3, PI(4,5)P2
ERM PI(4,5)P2
Willin PI(3)P, PI(4)P, PI(5)P
Moesin PI(3)P, PI(4)P, PI(5)P
PTLP1 PI(4,5)P2
Radixin PI(1,4,5)P3

翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生

Reference