リン脂質結合: GRAM ドメイン(領域)
The GRAM domain of MTMR2.
ドメインの結合および機能
GRAM(Glucosyltransferases, Rab-like GTPase activators and Myotubularins; 糖転移酵素、Rab様GTPase 活性化因子、およびミオチュブラリン)ドメインは、約70アミノ酸残基の長さを持ち、7本の紐でつながったβ-サンドイッチとC末端のα-ヘリックスから構成される。GRAM ドメインはミオチュブラリンファミリーのホスファターゼに共通して見られ、およそ180種類のタンパク質に存在すると考えられている。MTMR2(myotubularin related protein 2; ミオチュブラリン関連タンパク質2)のGRAM ドメインは、PH(pleckstrin homology; プレクストリン相同性)ドメインに見られるような、予想できないほど大きい折りたたみ構造を示す。GRAM ドメインを持つタンパク質は、大半が膜に関連した過程に関与する。機能解析の研究から、GRAM ドメインは、PI-(3,5)P2 基質の認識、PI-(3)-P/PI-(5)-P 依存性のオリゴマー形成、およびミオチュブラリンホスファターゼのPI-(5)-P に特異的なアロステリックな活性化に関与することが明らかである。GRAM ドメインの機能障害に対応する遺伝子変異は、X遺伝子にリンクする先天性筋障害(myopathy)を含むヒトの病気を引き起こすことになる。
構造
MTMR2 のGRAM 配列は、構造的にPH ドメインの折りたたみ構造をとる、より大きなモチーフの一部をなす5本のβ-ストランドを形成する。GRAM ドメインは、すぐ近傍のアミノ酸残基と共に、C末端にα-ヘリックスを持つ7本のつながったβ-サンドイッチ構造から成る三次構造を形成する。MTMR2 のGRAM ドメインの構造は、プレクストリン(pleckstrin)のPH ドメインに非常によく似ている。すなわち、GRAM の中心部分のドメインの中に高度に保存されたアミノ酸残基があり、他のGRAM ドメインは、PH ドメインの折りたたみ構造と類似の構造を共有しているように見える。
参考文献
- Begley, M.J., et al. (2003) Mol. Cell 12(6), 1391–1402.
例: ドメインタンパク質
例: ドメインタンパク質と結合パートナー
| Gram domain protein | Specific Phosphoinositide ligands |
| MTMR2 | PI-(3,5)-P2, PI-(5)-P |
| MTM1, MTMR3, and MTMR6 | PI-(5)-P |
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生