リン酸化セリン/トレオニン結合: POLO-Box ドメイン(領域)
The PLK1 PBD bound to phospho-threonine peptide (red).
ドメインの結合および機能
POLO-Box ドメインは、有糸分裂の開始、紡錘糸の集合、中心体の成熟、染色体の分離、細胞質分裂および細胞周期の停止などを調節するPolo 様キナーゼ(Polo-like kinases)のファミリーにもっぱら見出される。約200アミノ酸残基のPOLO-Box ドメインは、高度に保存されたそれぞれ約70-80アミノ酸残基からなる2つのPolo-Box モチーフから構成され、C末端からN末端にかけてのセリン/トレオニンキナーゼドメインに位置する。POLO-Box ドメインは、細胞内局在性を決定し、キナーゼドメインを自己阻害的に調節するという、2つの役割を実行する。POLO-Box モジュールは、2つのPOLO-Box モチーフ、これら両者の間の部分、およびキナーゼドメインの末端と最初のPOLO-Box の間のリンカー部分から構成される。このモジュールは、核となるコンセンサスモチーフ(一致した部分)であるセリン-リン酸化トレオニン/リン酸化セリン-プロリン/X(Ser-pThr/pSer-Pro/X)を持つリン酸化ペプチドを認識する。さらに、PLK1 はヒトの腫瘍で広範囲に過剰発現されていることから、がん化における役割が示唆される。
構造
POLO-Box ドメインは、2つのPOLO-Box 部分(PB1 および2)からなる2つのβ6αモチーフによって構成される。この2つのPOLO-Box モチーフは、3つのα-ヘリックスの部分に側面を固められた12本のつながったβ-サンドイッチを形成する。2つのPOLO-Box は、1つのα-ヘリックスで覆われた6本の逆向き平行のβ-シートでできているが、これら2本のPOLO-Box はわずか12%しか配列の同一性を示さない。リン酸化ペプチドは、PB1 のβ1、L2 のN末端、およびPB2 のβ8/9 と相互作用する。リン酸基と相互作用するのは、PB2 のHis-538 とLys-540 だけである。これらのリン酸化ペプチドと相互作用するアミノ酸残基はPOLO 様キナーゼにおいて高度に保存されていることから、すべてのファミリーメンバーに亘ってリン酸化ペプチドモチーフへの結合能が保存されていることを示唆する。
参考文献
- Cheng, K.Y. et al. (2003) EMBO 22(21), 5757–5768.
- Elia, A. et al. (2003) Cell 115(1), 83–95.
例: ドメインタンパク質
例: ドメインタンパク質と結合パートナー
| POLO like Kinase | Binding partners |
| Plk1 | Cdc25C, Chk2, Mcm7, GRASP65 |
コンセンサス結合部位
[Pro/Phe]-[φ/Pro]-[φ/Ala/Gln]-[Thr/Gln/His/Met]-Ser-[pThr/pSer]-[Pro/X]
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生