B細胞受容体 シグナル伝達 (B Cell Receptor Signaling)
Flash Player Needed
This pathway requires javascript to be enabled and Flash Player version 10.0.0 or higher.
経路の説明:
B細胞抗原受容体 (BCR) は、膜結合型免疫グロブリン (mIg) 分子と会合したIgα/Igβ (CD79a/CD79b) ヘテロ二量体 (α/β) から構成される。mIgサブユニットは抗原に結合し、受容体の凝集を起こすが、一方、α/βサブユニットは細胞内に向かってシグナルを伝達する。BCRが凝集すると、チロシンキナーゼのSyk及びBtkと同様に、SrcファミリーキナーゼのLyn、Blk、及びFynを速やかに活性化する。これが、BCR、前述のチロシンキナーゼ、CD19とBLNKのようなアダプタータンパク質、及びPLCγ2、PI3KやVavのようなシグナル伝達酵素から構成される「シグナロソーム (Signalosome)」の形成を開始する。シグナロソームから発するシグナルが、キナーゼやGTPase、及び転写因子を含む多数のシグナルカスケードを活性化する。その結果、細胞の代謝、遺伝子発現、及び細胞骨格の構成が変化する。BCRシグナル伝達の複雑さによって多くの異なる結果が生じるが、その中には、生存、耐性 (アネルギー; 抗原に対する過敏反応の欠如) またはアポトーシス、細胞分裂、抗体産生細胞または記憶B細胞への分化などが含まれる。この反応の結果は、細胞の成熟度、抗原の性状、BCRシグナル伝達の大きさと持続時間、及びCD40やBAFF-Rのような他の受容体からのシグナルによっても決められる。いくつかの受容体を含む膜貫通型タンパク質の多くが、BCRシグナル伝達の特異的な構成要素を調節する。これらのうち、CD45、CD19、CD22、PIR-B、及びFcγRIIB1 (CD32) を含むいくつかについては、上図に黄色で示している。BCRシグナル伝達の大きさと持続時間は、Lyn/CD22/SHP-1経路、Cbp/Csk経路、SHIP、Cbl、Dok-1、Dok-3、FcγRIIB1、PIR-B、及びBCRの細胞内取り込みなどからなる、負のフィードバックの経路によって制限される。これらの経路のより詳細な内容については、PI3K/Aktシグナル伝達経路、NF-κBシグナル伝達経路、アクチンの動態制御などの図解をそれぞれ参照して戴きたい。
参考文献:
- Dal Porto JM, Gauld SB, Merrell KT, Mills D, Pugh-Bernard AE, Cambier J (2004) B cell antigen receptor signaling 101. Mol. Immunol. 41(6-7), 599–613.
- Harwood NE, Batista FD (2008) New insights into the early molecular events underlying B cell activation. Immunity 28(5), 609–19.
- Harwood NE, Batista FD (2010) Early events in B cell activation. Annu. Rev. Immunol. 28, 185–210.
- Kurosaki T, Shinohara H, Baba Y (2010) B cell signaling and fate decision. Annu. Rev. Immunol. 28, 21–55.
We would like to thank Prof. Michael R. Gold, University of British Columbia,Vancouver, British Columbia for contributing to this diagram.
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生
created November 2002
revised November 2010