Jak/Stat シグナル経路: IL-6 受容体ファミリー (Jak/Stat Signaling: IL-6 Receptor Family)
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経路の説明:
Jak及びStatは、多くのサイトカイン受容体機構における重要な構成要素で、増殖、生存、分化及び病原体抵抗性を制御している。これらの経路の一例として、IL-6 (もしくはgp130) ファミリー受容体を示すが、これはB細胞の分化、形質細胞形成、及び急性期応答を共通して調節する。サイトカインの結合は受容体の二量体化を誘導し、これが会合しているJakを活性化するが、Jakは自己リン酸化と受容体のリン酸化を行う。受容体及びJakのリン酸化部位は、Stat3のようなSH2を持つStatや、MAPキナーゼ、PI3/Akt、及び他の細胞経路に受容体をリンクさせるようなSH2を持つタンパク質やアダプターに対して、ドッキング部位の役目をする。
受容体に結合したStatは、Jakによってリン酸化されると二量体を形成して核内に移行し、標的遺伝子の転写を調節する。サイトカインシグナル抑制タンパク質 (SOCS) ファミリーメンバーは、同種もしくは異種のフィードバック調節を介して、受容体のシグナル伝達を鈍らせる。JakあるいはStatは、Jak/Stat利用経路一覧表に概略を示すように、他のクラスの受容体を介してシグナル伝達に関与することもできる。
脱制御されたIL-6のシグナル伝達は、自己免疫疾患の病態や炎症、多発性骨髄腫や前立腺がんなどのがんで見られる。Stat3はがん遺伝子として働くことができ、多くのがんにおいて恒常的に活性化している。前立腺がんと多発性骨髄腫では、IL-6R (IL-6受容体) からのシグナル伝達に、上皮成長因子受容体 (EGFR) ファミリーメンバーとの間に混線 (クロストーク) がある。IL-6はまた、抗アポトーシスシグナルを誘導するが、これは発がんに寄与している可能性がある。標的遺伝子の1つは、Bcl-2ファミリーメンバーのMcl-1である。Janusキナーゼ変異は、ヒトの血液がんの悪性度における主要な分子変化である。Jak2の偽キナーゼドメインにおけるユニークな体細胞変異 (V617F) は、90%以上の真性赤血球増加症患者、及び、本態性血小板血症ならびに特発性骨髄線維症患者の大半で起こる。この変異の結果、Jak2キナーゼの病的な活性化が起こり、造血系の前駆細胞の悪性の形質転換が現れる。急性巨核芽球性白血病の患者の中に見られる、Jak3の偽キナーゼドメインの変異のいくつかもまた、Jak3を恒常的に活性化する。Jak1における機能獲得型体細胞変異は、成人T細胞リンパ芽球性急性白血病のおよそ20%で見出されてきた。
Jak1、Jak2及びJak3における体細胞性の活性化型変異は、小児の急性リンパ性白血病 (ALL) 患者において同定された。Jak2変異は、ダウン症候群ならびに小児のB細胞型急性リンパ球性白血病 (B-ALL) 患者において、偽キナーゼドメインR683の付近で検出された (R683GもしくはDIREED) が、そこでは、これらの変異がまた、胸腺間質リンホポイエチン受容体 (TLSP) をコードするCRLF2遺伝子における転座もしくは変異 (F232C) と関連している。TLSPは他のJakを介してシグナル伝達すると考えられているが、変異型Jak2とTLSPRが協調して小児のALLの一部において、発がんを促進していると思われる。
参考文献:
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We would like to thank Prof. Stefan N. Constantinescu, Ludwig Institute for Cancer Research, Brussels, Belgium, for contributing to this diagram.
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生
created November 2002
revised November 2010
Jak/Stat シグナル経路: IL-6 受容体ファミリー (Jak/Stat Signaling: IL-6 Receptor Family)