アクチン動態の調節 (Regulation of Actin Dynamics)
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経路の説明:
Gタンパク質共役型受容体 (GPCRs)、インテグリン、受容体チロシンキナーゼ (PTKs)、及びセマフォリン1a (Semaphorin 1a) 受容体のプレキンA (PlexinA) のような他の数多くの特異的な受容体を通じて細胞骨格に伝達されるシグナルは、細胞の形態、細胞運動、細胞分裂や生存などの多岐にわたる変化を誘導することができる。接着斑複合体の他の成分と協力することにより、インテグリンは多くの種類の細胞で細胞外マトリクスと細胞骨格を結びつける働きをする。インテグリンを活性化すると接着斑キナーゼ (FAK; Focal Adhesion Kinase) 及びSrcキナーゼが活性化されるが、その結果、シグナル伝達のアダプタータンパク質が動員されるとともに、パキシリン (Paxillin) のような接着斑 (FA) 成分やCrkに会合している基質のp130CASがリン酸化される。最近になって見出されたSrcキナーゼの基質で68番目のチロシン残基がリン酸化されるコフィリン (Cofilin) は、この部位がリン酸化されるとプロテアソームによる分解を受けるようになる。この局所的なコフィリン活性の変化は、他のシグナル経路とともに、接着部位におけるアクチンの集合を引き起こす。
外部刺激に対する細胞応答の細胞内における調節は、コルタクチン (Cortactin)、mDia、WAVE、及びWASPのようないくつかのアクチン調節タンパク質へのGTPaseの直接的な結合を介するのと同様に、膨大な数のシグナルカスケードを介して起こるが、それにはRhoファミリーの低分子GTPase (Rho、Rac、及びCdc42) とそれらの活性化因子、グアニンヌクレオチド交換因子 (GEFs)、それらの下流にあるRho-kinase/ROCKやp21 Activated Kinase (PAK) のようなプロテインキナーゼのエフェクター分子が含まれる。これらのカスケードは、コフィリンやArp2/3、Ena/VASP、フォルミニン (Forminins)、プロフィリン (Profilin) 及びゲルゾリン (Gelsolin) のようなアクチン相互作用性の調節タンパク質を含む、アクチン細胞骨格の動態や構成を直接的に調節するタンパク質に集中している。異なる経路を通ったシグナルによって、全く異なるアクチン依存性の構造が作られるが、このような協調的なアクチンの集合や解離は、ある決められた方向への細胞の移動やそのほかの細胞の運動にとって重要である。細胞の移動はミオシンへのシグナル伝達によっても調節されているが、このミオシンは、伸長側におけるアクチンの動きに関与し、細胞の尾部の撤収を可能にしている。高等動物由来の細胞にはトロポミオシンの多種類のアイソフォームが発現していて、それらのうちのいくつかは、切断因子および動力因子の結合を妨害することによってF-アクチンを安定化する。しかしながら、いくつかのトロポミオシンはフィラメントの動きを加速させることがある。動的なアクチンは、細胞のアクチン依存性過程の大部分に必要である。すなわち、アクチンの集合阻害もアクチンの解離の妨害も、同じように、大部分の細胞行動に阻害的に作用する。
細胞骨格系のシグナル伝達の異常な制御は、細胞外の刺激と細胞応答の間に連携ができないという結果を生むが、しばしば免疫病態や発生上の欠陥、あるいはがんなどにおいて観察される。細胞のストレスに応答して調節経路を通じたコフィリンの活性化が過剰に起こると、コフィリンで飽和した繊維が出現し、これが集合して棒状の構造を形成するようになる。神経においては、この棒状構造体は神経突起の輸送の阻害をし、多くの認知障害におけるシナプスの消失の原因となる。
参考文献:
- Bernstein BW, Bamburg JR (2010) ADF/cofilin: a functional node in cell biology. Trends Cell Biol. 20(4), 187–95.
- Hung RJ, Yazdani U, Yoon J, Wu H, Yang T, Gupta N, Huang Z, van Berkel WJ, Terman JR (2010) Mical links semaphorins to F-actin disassembly. Nature 463(7282), 823–7.
- Lee SH, Dominguez R (2010) Regulation of actin cytoskeleton dynamics in cells. Mol. Cells 29(4), 311–25.
- Van Troys M, Huyck L, Leyman S, Dhaese S, Vandekerkhove J, Ampe C (2008) Ins and outs of ADF/cofilin activity and regulation. Eur. J. Cell Biol. 87(8-9), 649–67.
We would like to thank Prof. James Bamburg, Colorado State University, for recent updates to the Regulation of Actin Dynamics and the Regulation of Microtubule Dynamics pathways.
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生
created September 2008
revised November 2010