新たなタンパク質の合成は高度に制御されたプロセスであり、これによって転写後の様々な刺激に対する素早い細胞応答が可能になります。9つの重要なeukaryotic translation initiation factors (eIFs) は、機能性リボソーム複合体の集合を2段階で触媒します。まず、43S開始複合体とmRNAから48S複合体を形成し、形成された複合体が60Sサブユニットと結合することで、最終的にポリペプチド鎖の形成が可能となります。多くの翻訳段階のうち、律速段階、すなわち翻訳開始は、非常に厳密に制御されています。成長因子やストレスなどといった多くの刺激因子は、特定のeIFを刺激したり、阻害したりします。開始時の制御とは独立して、ポリペプチド鎖の伸長段階で翻訳活性が弱められることもあります。例えば、Ca2+やcAMPが増加すると、AMPKを介してeukaryotic elongation factor2 (eEF2) の働きが阻害されることがあります。最後に終止コドンが認識されると、eRF1とeRF3が翻訳終結、およびリボソームの解離とリサイクリングを媒介します。
本パスウェイ図を監修していただいたRachel Wolfson博士に深く感謝致します。
作成日:2002年1月
改訂日:2014年6月