翻訳制御: elF2の調節 (Translational Control: Regulation of elF2)
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経路の説明:
蛋白のリン酸化は、真核生物の翻訳開始因子2(elF2)による翻訳をコントロールする上で重要な役割を果たす。elF2 は GTP とメチオニン-tRNA と結合し、43S 前開始複合体を形成すべく、メチオニン-tRNA を 40S サブユニットに輸送する。反応サイクル後期には、伸長反応に先立って結合 GTP が水解され、elF2-GDP が遊離される。elF2 が別の翻訳開始ラウンドを誘導するためには、elF2B によって触媒される GDP から GTP への交換を受けなければならない。ウィルス感染により活性化されるキナーゼ(PKR)、小胞体ストレスにより活性化されるキナーゼ(PERK/PEK)、アミノ酸枯渇により活性化されるキナーゼ(GCN2)、Fe3+ の欠乏により活性化されるキナーゼ(HRI)らは、二量体化と自己リン酸化によって、きわめて強力な elF2α リン酸化能を獲得する。この elF2α のリン酸化は、elF2-GDP-elF2B 複合体を安定化させ、elF2B のターンオーバーを阻害する。これらのイベントは全体的な細胞の蛋白合成を停止させるが、転写調節因子 ATF-4 の翻訳は促進し、それが、今度は、代謝、酸化ストレス、細胞死に関わる遺伝子を活性化する。リン酸化依存性シグナルも elF2B のεサブユニットレベルで関わってくる。elF2B のεサブユニットは GSK-3βによるリン酸化によって阻害される。
参考文献:
- Raven JF, Koromilas AE (2008) PERK and PKR: old kinases learn new tricks. Cell Cycle 7(9), 1146–50.
- Schmitt E, Naveau M, Mechulam Y (2010) Eukaryotic and archaeal translation initiation factor 2: a heterotrimeric tRNA carrier. FEBS Lett. 584(2), 405–12.
- Wek RC, Jiang HY, Anthony TG (2006) Coping with stress: eIF2 kinases and translational control. Biochem. Soc. Trans. 34(Pt 1), 7–11.
CST would like to thank Prof. Nahum Sonenberg and Mark Livingstone, Department of Biochemistry, McGill University, Montreal, Quebec, for reviewing these diagrams.
翻訳監修: 千葉大学大学院 医学研究院 分子生体制御学 粕谷善俊先生
created January 2002
revised November 2010