パーキンソン病におけるドーパミンシグナル伝達 (Dopamine Signaling in Parkinson's Disease)

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経路の説明:

パーキンソン病は65歳以上のヒトの間で最も広く認められる神経変性を伴う行動障害である。臨床的には、この疾患は腹側中脳の黒質面にあるドーパミン作働性神経の脱落による運動緩徐、安静時振せん、及び硬直によって特徴づけられる。正常時には、シナプス前細胞における神経伝達物質のドーパミンの遊離により、シナプス後細胞におけるD1及びD2型ドーパミン受容体を介したシグナル伝達が起きる。D1型受容体は、Gタンパク質を介してシグナルを伝え、アデニル酸シクラーゼを活性化し、cAMPを生成してPKAを活性化する。D2型受容体は、アデニル酸シクラーゼを阻害することによってこのシグナル伝達を遮断する。パーキンソン病は、遺伝的な変異 (家族性) によっても、また環境性の神経毒性物質への曝露 (散発的) によっても起こりうる。環境性の神経毒性物質への曝露は、ミトコンドリアの酸化ストレスを誘導して活性酸素分子種 (ROS) を遊離させ、その結果、アポトーシスや、α-シヌクレイン (α-Synuclein) の折りたたみ異常などの多くの細胞応答が起きるが、これが自己凝集や他のタンパクとの凝集を起こして細胞質にLewy小体を形成する。折りたたみ異常を持つα-シヌクレインは、正常であればパーキンによってユビキチン化され、プロテアソームによって分解される。しかし、α-シヌクレインとパーキンの双方に遺伝的な変異が入ると、Lewy小体の蓄積を亢進する。この疾患にはまた、炎症性サイトカインの遊離と細胞ストレスの原因となるミクログリアの活性化の結果によって起こる、炎症という構成要素もある。このミクログリアの活性化は、JNK経路を介して、あるいはREDD1を介したAktのシグナル経路の遮断によって、アポトーシスを起こすことがある。

参考文献:

We would like to thank Prof. Christopher Phiel, The Research Institute at Nationwide Children’s Hospital, Columbus, OH for contributing to this diagram.

翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生

created November 2009

revised November 2010

パーキンソン病におけるドーパミンシグナル伝達 (Dopamine Signaling in Parkinson's Disease)

Reference