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AMPキナーゼ シグナル伝達 (AMPK Signaling)

AMPK Signaling

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経路の説明:

AMPによって活性化されるAMPキナーゼ (AMPK) は、細胞のエネルギー恒常性の最上位の調節因子として重要な役割を担っている。このキナーゼは、低グルコースや低酸素状態、虚血、あるいは熱ショックなど、細胞へのATP供給を枯渇させるようなストレスに応答して活性化される。それは触媒作用を持つαサブユニットと、調節作用を持つβとγサブユニットから構成されるヘテロ三量体として存在する。AMPがγサブユニットに結合すると、アロステリック効果によってこの複合体が活性化され、上流に位置する主要なAMPキナーゼキナーゼであるLKB1に対して、より親和性の高い基質になる。数々の研究から、アディポネクチン (Adiponectin)、レプチン (Leptin)、及びカルモジュリンキナーゼキナーゼβ (CaMKKβ) を介したシグナル伝達もまた、AMPKの活性化にとって重要であることが示されている。

低ATPレベルに応答する細胞のエネルギーセンサーとして、AMPKの活性化は、細胞のATP供給を補充させるシグナル経路を正に調節する。たとえば、AMPKの活性化はGLUT4の転写及び翻訳をともに亢進し、その結果、インスリン刺激によるグルコースの取り込みを上昇させる。さらに、それはまた、ACCの阻害とPFK2の活性化を通じて、脂肪酸酸化や解糖系のような分解系を刺激する。AMPKは、TORC2、グリコーゲン合成酵素、SREBP-1及びTSC2などのATP消費の中心にある数々のタンパク質を負に調節するが、その結果、糖新生、及びグリコーゲン、脂質及びタンパク質の生合成を低下させたり阻害したりする。脂質とグルコース両方の代謝に中心的な調節因子としての役割を果たすため、AMPKは肥満やII型糖尿病、そしてがんの治療にとって鍵となる標的であると考えられている。AMPKはまた、今日、mTOR、SirT1及びセストリンとの相互作用を通じて、老化の決定的な調節因子としても認識されている。

Selected Reviews:

We would like to thank Dr. Lee Witters, Department of Biochemistry, Dartmouth Medical School, Hanover, NH, for reviewing this diagram.

翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生

created April 2006

revised November 2012

AMPキナーゼ シグナル伝達 (AMPK Signaling)