CST logo

Chromatin IP FAQ

 前のページに戻る クロマチン免疫沈降 (ChIP)

回答

細胞数によってクロマチン消化に使用するMicrococcal Nuclease の量を調整する必要がありますか?
クロマチン調製には、細胞数が大変重要です。CST では、4×107個の細胞からクロマチン1.0 mLを調製し、Micrococcal Nuclease 5 μLで消化します。クロマチン消化に用いるMicrococcal Nuclease 量と細胞数の比率は、クロマチンの適正サイズ (150-1,000塩基対) への断片化に重要です。この比率は細胞の種類によって若干異なりますが、1×107の細胞数に対し、Micrococcal Nuclease 1.25 μLの割合がクロマチン消化に最適で、かつ再現性の高いことが社内試験から分かっています。
なぜMicrococcal Nuclease によるクロマチン消化に加えソニケーションが必要なのですか?
Buffer AとBuffer Bは、ホルムアルデヒドでクロスリンクした細胞の細胞膜と核膜を完全に可溶化しません。Micrococcal Nucleaseを細胞に入れてクロマチンを消化するのに細胞の透過性を高めているだけです。従って、クロマチンを溶液に放出するために、膜を破砕させるわずかなソニケーションが必要です。
適切に断片化されたクロマチンは、アガロースゲル電気泳動でどのように観察されますか?
SimpleChIP®プロトコールの“C クロマチン断片の分析とクロマチン濃度の決定 (推奨ステップ)”にあるように、CST ではクロマチン消化後、IP実施前にサンプルを分析しています。右図は、エチジウムブロマイドで染色した1%アガロースゲルにおける理想的なクロマチンの泳動結果です。レーン1はDNA マーカー、レーン2は精製したクロマチンDNA です。クロマチンDNA は、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-ヌクレオソーム単位 (150-1,000塩基対) にせん断されます。クロマチンDNA 濃度をOD260 で測定したところ、様々な細胞で大体125-250 μg/mL になりました。クロマチンの泳動に問題がある場合は、プロトコールのAppendix A をご参照ください。
*注: もし150 bp (モノヌクレオソーム) 付近のシングルバンドのみ観察される場合、クロマチンが過剰に消化されています。細胞数に対しヌクレアーゼ量が過剰なので、ヌクレアーゼの量を減らすか、細胞数を増やしてください (Appendix A 参照)。
1% agarose gel stained with ethidium bromide.
各IP にどのくらいのクロマチンが必要ですか?
CST では、全ての標的タンパク質に対し、IP 反応一回につき4×106の細胞数相当、あるいは10-20 μgのクロマチンを使用しています。しかし、ヒストンのIP の場合、1×106の細胞数相当、あるいは2.5-5 μgのクロマチンでも可能です。一般的に、IP の準備をするとき、IP 反応用500 μLを調製するためにクロマチンを1×ChIP Buffer で希釈し、抗体と一晩反応させますが、CST のプロトコールではクロマチンを希釈する必要はありません。希釈していないクロマチンをご使用いただけます。
ChIP に適した抗体とは?
CST でChIP 用に検証済みの抗体のデータシートには、IP に必要な量が記載されています。SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit と共に使用される場合の抗体希釈率が“Recommended Antibody Dilutions”の下にございます。また、社内試験で使用した抗体の正確な容量とクロマチン量を、データシートのChIP データの説明文に記載しています。CST の社内試験では、4×106の細胞数 (10-20 μgのクロマチン) に対して最適な抗体量を決定するため、抗体のタイトレーションを必ず行います。
もし抗体がCST でChIP用に検証済みでない場合、ChIP アッセイでの抗体性能を保証できません。未検証の抗体をChIP アッセイで試したい場合、通常のIP で検証済みの抗体を使用されることをお薦めします。また、ChIP 反応一回につき、2-5 μgの抗体で始めることをお薦めします。CST でChIP 用としてまだ未検証の抗体をChIP に試して成功された場合は、ぜひお知らせください。
磁気ビーズとアガロースビーズではどちらが良いですか?
両ビーズ共にSimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit でご使用いただけます。両ビーズの比較実験では、どちらも低バックグラウンドで特異的バンドが得られています。アガロースビーズは従来よりIP に使われているビーズですが、磁気ビーズはより利便性の高いビーズです。磁気ビーズは、磁石側のチューブ側面に付着するので、洗浄バッファーの吸引除去時にロスがなく、遠心分離も必要ありません。ただし、#7017 6-Tube Magnetic Separation Rack が必要です。
磁気ビーズは、DNA でブロッキングしていないため、ChIP-Seq実験でご使用いただけます。アガロースビーズは、バックグラウンドを軽減するため、ソニケーションしたsalmon sperm DNA でブロッキングされています。ハイスループットシークエンシングでは、ブロッキングDNA が配列読取りに影響を与えます。
PCR の結果はどのようになりますか?
CST の社内試験では、定量リアルタイムPCR と5倍希釈系列 (2%、0.4%、0.08%、0.016%インプットクロマチン) を用いて抗体を検証します。この希釈系列でCT値の標準曲線をインプットクロマチンqPCR サンプルごとに作成し、これによりDNA 増幅をIP サンプルごとに全インプットクロマチンのパーセンテージとして表示された値に測定したCT値を返還することによって算出できます。
SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit のコントロール用#4620 Histone H3 (D2B12) XP® Rabbit mAb (ChIP Formulated) とSimpleChIP® RPL30 プライマーをご使用いただいた場合、全インプットクロマチンの2-4%の間でRPL30プロモーターの増加がみられます。#2729 Normal Rabbit IgG を使ったバックグラウンド増幅は、0.1%以下になります。
ChIP が成功した場合、抗体による標的遺伝子座 (ある転写因子と標的プロモーターの結合) は、同じ抗体による非特異的な遺伝子座 (同じ転写因子と非標的プロモーターの結合) より少なくとも4倍増幅されます。そして、#2729 Normal Rabbit IgG による遺伝子座より、少なくとも5-10倍増幅されます。ポジティブなChIP 増幅がみられた場合、その割合は、全インプットクロマチンに対して0.5% (転写因子と共因子) から40-50% (アセチルとメチルヒストンタンパク質) になります。#2729 Normal Rabbit IgG と磁気ビーズあるいはアガロースビーズを用いた場合、その割合は、0.1から0.05%です。
PCR の結果は、用いるPCR プライマーと抗体により変わります。実験でPCR 反応が適切に行われ、得られたシグナルが妥当なものかを確認するために、適切なポジティブコントロールとネガティブコントロールをご使用ください。
SimpleChIP® Enzymatic Chromatin IP Kit (#9002#9003) は、組織サンプルでも使用できますか?
組織サンプルには、SimpleChIP® Plus Chromatin IPキットをご使用ください。プロテインGアガロースビーズ (#9004) およびプロテインG磁気ビーズ (#9005) のキットをご用意しています。

posted October 2010

Chromatin IP FAQ