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免疫組織染色 (IHC) トラブルシューティングガイド

IHC染色が最適でない場合、比較的少ない変数の調整により結果が改善することがあります。抗原賦活化のようなプロトコールの重要なステップを調節することで、一般に起こり得る問題を解決することができます。


問題点: 染色が弱い、もしくは無い

サンプルの保存

保存期間が長いスライドでは、シグナルが得られない可能性があります。保存中は変化が起こりやすく、その変化は標的タンパク質により異なります。また、タンパク質ごとの保存期間が染色にもたらす影響も実証されていません。したがって、使用時に薄切した新鮮なスライドの使用が最良です。スライドを保存する必要がある場合は、4℃で保存してください。保存前に加熱処理しないでください。

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組織切片の乾燥

染色操作間、組織切片を液体で覆い続けることが重要です。

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スライドの準備

不十分な脱パラフィンにより、まだらで不均一なバックグランド染色がおこる可能性があります。新しいキシレンを用い、新鮮な切片で実験を繰り返してください。

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抗原賦活化

組織と抗原タンパク質により異なりますが、固定した組織切片にはタンパク質間に化学架橋があり、抗体結合を妨げたり、抗原部位を覆い隠していたりすることがあります。一般的に、抗原賦活化では温浴や電子レンジ、圧力窯を使用しますが、CSTのプロトコールでは温浴の使用は推奨していません。特定の組織や抗原の染色に圧力窯を使用することもありますが、通常、電子レンジを用いた抗原賦活化を行います。

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抗原賦活化液

特定の組織や抗原を染色するには、最適な抗原賦活化液が必要な場合があります。製品のデータシートで、推奨の抗原賦活化液を確認してください。毎回新しい1×溶液を調製してください。

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抗体希釈液と希釈率

製品のデータシートで、推奨の抗体希釈液と希釈率を確認してください。推奨と異なる溶液を使用する場合、抗体の滴定が必要な場合があります。

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インキュベーション時間

CSTの徹底的に検証されたプロトコールの一次抗体インキュベーションは、一貫した信頼に足る結果をもたらします。CST抗体は、4℃で一晩インキュベートした時に最適な結果となるように開発、検証されています。

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検出システム

SignalStain® DAB Substrate Kit (#8059) と併せて用いるSignalStain® Boost IHC Detection Reagent (#8114#8125) のようなポリマーベースの検出試薬は、アビジン/ビオチン系の検出システムよりも高感度です。一般的なHRP標識二次抗体では、十分なシグナルの増幅が得られない可能性があります。DAB染色には過酸化水素を用いますので、使用前に必ず検出試薬の有効期限を確認してください。

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ネガティブ染色

抗体やプロトコールの問題により、全く染色されない場合があります。抗体や手順に問題がないことを確実にするため、パラフィン包埋した細胞ペレットのような高発現のポジティブコントロールを用いてください。
特に、リン酸化抗体や発現が稀なタンパク質を検出する抗体は、100%染色されないことがあります。この場合、サンプル自体が真にネガティブである可能性があります。

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問題点: バックグラウンドが高い

スライドの準備

不十分な脱パラフィンにより、まだらで不均一なバックグランド染色がおこる可能性があります。新しいキシレンを用い、新鮮な切片で実験を繰り返してください。

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ペルオキシダーゼのクエンチ

HRPベースの検出システムを使用する場合、サンプル中の内在性のペルオキシダーゼ活性が過分なバックグラウンドシグナルをもたらします。一次抗体とインキュベートする前に、RODI (逆浸透膜濾過脱イオン) 水で希釈した3%過酸化水素溶液で10分間スライドをクエンチしてください。

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ビオチンのブロック

腎臓や肝臓のような内在性ビオチンの発現レベルが高いサンプルでビオチン系の検出システムを使用する場合、バックグラウンドが高くなる可能性があります。この場合、SignalStain® Boost IHC Detection Reagent (#8114#8125) のようなポリマーベースの検出システムを使用してください。通常のブロッキング手順の後、一次抗体のインキュベーションの前にビオチンのブロックも必要な場合があります。

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ブロッキング

一次抗体とインキュベートする前に、5%正常ヤギ血清含有の1×TBST (#9997) で、スライドを1時間ブロッキングしてください。

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抗体希釈液と希釈率

製品のデータシートで、推奨の抗体希釈液と希釈率を確認してください。推奨と異なる溶液を使用する場合、抗体の滴定が必要な場合があります。

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二次抗体の交差性

サンプルと同種の二次抗体を用いた場合、二次抗体が内在性のIgGと結合し、高いバックグラウンドが検出される可能性があります (マウス-オン-マウス染色)。二次抗体がバックグラウンド染色の原因でないことを確認するために、一次抗体を用いずに染色するためのコントロールスライドを実験に組み入れてください。

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洗浄

バックグラウンドが低くてシグナルが強いはっきりした染色には、適切な洗浄が重要です。一次抗体および二次抗体のインキュベーション後、TBST (#9997) でスライドを各5分間、3回洗浄してください。

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posted September 2013 • revised November 2013