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ウェスタンブロッティング トラブルシューティングガイド

推奨: バックグラウンドが高い、シグナルが弱い等の問題を解決するために、実験の問題の原因と考えうる要因を下記リストよりお選びください。


トラブルシューティングガイドのビデオもご参照ください

問題点: バックグラウンドが高い、エキストラバンドが出現する

ブロットをフィルムに短時間露光した後の全体的なバックグラウンドが高い、あるいは非特異的なバンドが出現する。モチーフ抗体や翻訳後修飾、スプライス変異体は、多重バンドをもたらす可能性があるという点に特に注意してください。

トラブルシューティングガイドのビデオ

ライセートの調製

新たに調製したサンプルでは非特異的バンドや分解産物のバンドがほとんど出現しないため、よりきれいなブロットが得られます。一般に、組織抽出物では、細胞株の抽出物よりも結合組織によるバックグラウンドバンドや分解産物が多くなる傾向があります。ソニケートし、清澄化した新鮮な組織抽出物を使用することで、バックグラウンドを低減できる場合があります。サンプルの溶解は常に、プロテアーゼ阻害剤やリン酸化標的タンパク質のためのホスファターゼ阻害剤 (Phosphatase Inhibitor Cocktail (100X) #5870Protease/Phosphatase Inhibitor Cocktail (100X) #5872Protease Inhibitor Cocktail #5871) を含有する適切なバッファー中で行ってください。CSTは、サンプル調製やタンパク質濃度の定量用に、より界面活性作用の強いCell Lysis Buffer (#9803) やRIPA Buffer (#9806) の使用をお勧めしています。タンパク質の定量を行わない全細胞溶解には、SDSローディングバッファー (#7722または#7723) がご使用いただけます。細胞質画分の調製に使用されるChaps Cell Extract Buffer (#9852) は、カスパーゼシグナル伝達の研究に有効です。また、Cell Fractionation Kit (#9038) は、細胞質画分、細胞膜/細胞小器官画分、細胞核/細胞骨格画分の調製にご利用いただけます。

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転写膜

高品質のニトロセルロース膜 (Nitrocellulose Sandwiches #12369) を使用してください。ポアサイズは、0.2 µmを推奨しています。30 kDaよりも小さいタンパク質には、ポアサイズが0.45 µmの転写膜はお勧めできません。PVDF膜は、ニトロセルロース膜よりバックグラウンドが高くなる可能性があり、ナイロン膜は、ウェスタンブロッティングに適していません。転写後は、5%脱脂粉乳を添加したTBSTを用い、室温で1時間ブロッキングしてください。

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一次抗体の希釈とインキュベーション

推奨するブロッキング剤 (5% BSAか5%脱脂粉乳) を添加したTBSTで一次抗体を推奨希釈率に希釈し、4°Cで一晩インキュベートしてください。各抗体の推奨希釈バッファーは、製品のデータシートを参照してください。

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洗浄不足

TBSTでの洗浄が3×5分の推奨時間よりも短いケースがよく見られますが、このような場合、バックグラウンドが高くなるおそれがあります。CSTは、タイマーを用いた正確な時間で洗浄を行うようお勧めしています。また、Tween® 20濃度が低い場合も、バックグラウンドが高くなるおそれがあり、0.1% Tween® 20をお勧めしています。これは、一次と二次の両抗体のインキュベーション後に行われる洗浄に当てはまります。

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二次抗体の希釈とインキュベーション

二次抗体の中には、細胞抽出物中のタンパク質と非特異的に結合してしまうものがあります。二次抗体の品質を評価するには、一次抗体なしでブロット (フィルム露光まで) を実行してください。同じ細胞抽出物と一次抗体を用いたブロットで二次抗体を段階希釈すると、二次抗体の濃度を最適化することができます。二次抗体は、必ず、室温で1時間、5%脱脂粉乳を添加したTBST中でインキュベートしてください。BSAで二次抗体を希釈すると、バックグラウンドバンドが高くなってしまいます。CSTの二次抗体はすでに最適化されているため、滴定の必要はありません。

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検出試薬

化学発光による検出では、濃縮試薬の希釈に純度の高い水を使用しなければなりません。有機、無機の不純物を取り除いた精製水のみご使用ください。CSTは、逆浸透濾過脱イオン (RODI) 水をお勧めしています。また、検出試薬使用前の抗体のインキュベーション過程で、メンブレンが完全に乾いてしまわないよう注意してください。

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露光時間

露光時間が30秒を超えると、バックグラウンドシグナルが高くなります。露光時間が長くなるのを防ぐためには、タンパク質の発現レベルが十分に高い細胞株や組織を使用し、推奨の一次抗体のインキュベーション条件 (「一次抗体の希釈とインキュベーション」の項を参照) を適用することが重要です。必要に応じて、タンパク質の発現や修飾を誘導する処理を行ってください。

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問題点: シグナルが弱い

ブロットをフィルムに短時間露光しても、分析対象のタンパク質が検出できない。

トラブルシューティングガイドのビデオ: 低シグナル

ライセートの調製

通常、検出には、全細胞抽出物中に20-30 µgの総タンパク質がレーン毎にあれば十分です。標的タンパク質やタンパク質の修飾の基底レベルが低い場合、化学的刺激によって発現や修飾を誘導しなければならないことがあります。標的タンパク質がより豊富な代替細胞株や組織を調べても良いでしょう。サンプルの溶解は常に、プロテアーゼ阻害剤やリン酸化標的タンパク質のためのホスファターゼ阻害剤 (Phosphatase Inhibitor Cocktail (100X) #5870Protease/Phosphatase Inhibitor Cocktail (100X) #5872Protease Inhibitor Cocktail #5871) を含有する適切なバッファー中で行ってください。クロマチンや膜結合の標的タンパク質を効率的に抽出するには、ライセートを必ずソニケートする必要があります。推奨するポジティブコントロールや処理については、弊社ウェブサイトの「コントロール表」を参照してください。

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一次抗体の希釈とインキュベーション

推奨するブロッキング剤 (5% BSAか5%脱脂粉乳) を添加したTBSTで一次抗体を推奨希釈率に希釈し、4°Cで一晩インキュベートしてください。ゼラチンや血清、タンパク質フリーのブロッキング剤、カゼイン、混合ブロッキング剤など、他のブロッキング剤を使用するとシグナルが弱くなる場合があります。最良の結果を得るために、各抗体の推奨希釈バッファーは、製品のデータシートを参照してください。

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SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE) におけるゲルの選定

通常はトリス-グリシンゲルを推奨していますが、高分子量のタンパク質ではトリス-アセテートゲルとこれに関連するバッファーがお勧めです。1 mmゲルは、1.5 mmゲルよりもタンパク質を効率的に転写できます。これよりも厚いゲルを使用すると高分子量のタンパク質では転写が不完全になってしまうおそれがあるため、このような場合、転写効率のモニタリングや転写条件の変更を実施し、分析対象となる標的タンパク質の大きさに合わせた最適化を行ってください。

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転写と転写膜

不完全な転写は、転写時間を長くするか、もしくはより高い電圧をかけることで是正できます。CSTは通常、20%メタノールを含有する転写バッファー中で、70 Vで2時間、ウェット式転写を実行するよう推奨しています。高分子量のタンパク質の場合は、転写バッファー中のメタノール濃度を5%に下げてゲルマトリックスへの高分子量タンパク質の固着を防ぐとともに転写効率を改善し、転写時間を70 Vで3時間まで延長することをお勧めします。低分子量のタンパク質の場合、過剰な転写 (タンパク質の転写膜の通り抜け) によってトラブルが起こるおそれがあります。低分子量のタンパク質では、ポアサイズ0.45 µmの転写膜や一晩かけた転写ではなく、ポアサイズ0.2 µmの転写膜を用いた70 V、2時間のウェット式転写を適用することが重要です。前者では転写が過剰になり、低分子量タンパク質のシグナルが低下してしまう場合があるからです。

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ブロッキング

転写膜のブロッキング時間が長すぎると、抗原エピトープが不明瞭になり、抗体の結合が阻害されるおそれがあります。ブロッキングは室温で1時間にしてください。

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洗浄

3×5分の推奨時間よりも長い時間で洗浄を行うケースがよく見られますが、このような場合、シグナルが減少するおそれがあります。CSTは、タイマーを用いた正確な時間で洗浄を行うようお勧めしています。TBSTのTween® 20含有量は、0.1%にしてください。これは、一次と二次の両抗体のインキュベーション後に行われる洗浄に当てはまります。また、CSTはTBSTでの洗浄をお勧めしています。PBSTでの洗浄ではシグナルの減少が起こることが実証されているからです。

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二次抗体の希釈とインキュベーション

同じ細胞抽出物と一次抗体を用いたブロットで二次抗体を段階希釈すると、二次抗体の濃度を最適化することができます。二次抗体は、必ず、室温で1時間、5%脱脂粉乳を添加したTBST中でインキュベートしてください。アジ化物がHRPの活性を阻害するため、HRP標識二次抗体の希釈バッファーへのアジ化ナトリウム添加は避けてください。CSTの二次抗体はすでに最適化されているため、滴定の必要はありません。

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検出試薬

化学発光検出のポジティブコントロールとして、anti-biotin HRPで検出できるビオチン化分子量マーカーを使用してください。

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posted June 2005 • revised November 2013

ウェスタンブロッティング トラブルシューティングガイド