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蛍光マルチプレックス免疫組織染色 (Fluorescent Multiplex Immunohistochemistry)

蛍光マルチプレックス免疫組織染色 (蛍光mIHC) は、ホルマリン固定パラフィン包埋 (FFPE) 組織サンプルを用いて同時に複数 (2-6種類以上) のタンパク質の検出が可能です。蛍光mIHCの手法として、主に下記の2つがあります。

  1. 直接蛍光法:蛍光標識試薬が直接結合した一次抗体によって抗原を検出します。
  2. 間接蛍光法:一次抗体の免疫動物種/アイソタイプに特異的な二次抗体を介して抗原を検出します。二次抗体への標識の種類を下記に示します。
    • 蛍光標識試薬: 例) Alexa Fluor®やCy®色素
    • 酵素: 例) HRP (Horseradish Peroxidase):抗原近傍へ発色原や蛍光標識チラミドの沈着を触媒する糖タンパク質
    • その他の標識: 例) ビオチン

マルチプレックス染色 (多重染色) の有用性

  • 1枚の貴重な組織切片から最大限のデータを集めることができます。
  • 固定された組織構造において、様々なターゲットの共発現や空間的な位置関係を調べることができます。これは、次世代シーケンシングやPCR、質量分析などの他のマルチプレックスな手法では不可能です。

mIHCアプリケーションノート&ポスター

マルチプレックスIHCのノウハウや、受容体とリガンドをまとめたポスターなど、お役立ち情報はこちら

蛍光mIHCの種類

mIHC Multiplexing Options

チラミドによるマルチプレックス染色の利点

シグナルの増幅

  • 抗原に関連した蛍光シグナルを著しく増強する
  • 少量のターゲットの検出を可能にする

抗体の組み合わせやすさ

  • 抗体の免疫動物やアイソタイプに関係なく、IHC-Pに推奨される抗体ならどれでも使用できる

チラミドを用いた蛍光mIHCの概要

チラミドは有機フェノールの一種で、触媒 (HRP) の存在下で活性化され、タンパク質抗原の表面および周辺の電子が豊富な領域 (主にチロシン残基) に共有結合します。HRPに触媒される蛍光標識チラミドの集積により、抗原の存在部位で蛍光シグナルが増幅されます。

Multiplex IHC Schematic

チラミドとチロシンが共有結合する性質を利用して、加熱により抗原に結合した一次抗体と二次抗体をはがし、一方で抗原部位に集積した蛍光シグナルを保持することができます。これにより、クロストークを懸念することなく、同じ免疫動物やアイソタイプの複数の一次抗体を組み合わせたマルチプレックス染色が可能となります。

チラミドベースの蛍光mIHCを成功させるには

下記の試薬が必要です:

  1. 厳格に検証された高い特異性を有するIHC-P推奨の一次抗体
    注意:すべてのIHC-Pで推奨されるCST抗体を蛍光mIHCに使用することができます。
  2. 一次抗体の免疫動物やアイソタイプに特異的なHRP標識された二次抗体
    注意:HRP標識された一次抗体も使用することができます。
  3. 蛍光標識チラミド
  4. 複数ターゲット (3種類以上) の検出と核の対比染色が可能なマルチスペクトルカメラ

マルチスペクトルイメージング vs. コンベンショナルイメージング

イメージングシステムの選択により、染色できるターゲット数が制限されます。

  • 1-3ターゲット/蛍光標識
    コンベンショナルカメラは、少ないターゲット数のマルチプレックス解析においてより高い解像度で検出できます。下記のマルチスペクトルカメラとコンベンショナルカメラで撮影した、広視野での比較画像をご確認ください。
Multispectral vs. Conventional

#65713 PD-L1, CD3ε, CD8α Multiplex IHC Antibody Panelを用いたヒト乳がんのパラフィン包埋サンプルにおける、3ターゲットの蛍光mIHC解析。使用した試薬:#13684 PD-L1 (E1L3N®) XP® Rabbit mAb (緑)、#85061 CD3ε (D7A6E™) XP® Rabbit mAb (黄)、#70306 CD8α (C8/144B) Mouse mAb (IHC Specific) (赤)、#8961 DAPI (蛍光DNA色素) (青の疑似カラー)

  • 4ターゲット/蛍光標識以上
    マルチスペクトルカメラを使用する必要があります。マルチスペクトルイメージングシステムでは、励起・蛍光スペクトルがオーバーラップした場合においても、それぞれの蛍光スペクトルを分離しリニアな検出を可能にするソフトウェアが使用されています。これにより、優れた解像度で複数のターゲットの同時検出ができます。特に共発現解析において重要です。

注意:組織の自家蛍光は、蛍光組織染色において感度を下げる原因になります。この現象は、すべての蛍光イメージングプラットフォームでみられます。マルチスペクトル解析ソフトウェアは、無染色組織に由来するアーチファクトの蛍光シグナルを引き算することで、この問題に取り組んでいます。

蛍光マルチプレックス免疫組織染色 (Fluorescent Multiplex Immunohistochemistry)

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