リン脂質結合: BAR ドメイン(領域)
Amphiphysin BAR Domain From Drosophila.
ドメインの結合と機能
BAR(Bin/Amphiphysin/Rvs)ドメインは、ヒトゲノムにコードされた35種類以上のタンパク質で見出されている。これらのタンパク質は、細胞の多様な過程、たとえばエンドサイトーシス(エンドフィリン、選別ネキシン、およびアンフィフィシン)やアクチンの再構築(RhoGAP およびRhoGEF)において機能している。アルファプチン(Arfaptin)のBAR ドメインはRac1 に結合することが示された。機能的なBAR ドメインの二量体は、バナナの形をした6本のヘリックスの束で、先端および凹面側の表面に沿って正電荷を持ち、これがリン脂質との結合を媒介すると考えられる。この凹面の曲率が、約220オングストロームの直径を持つ球形の膜にぴったり合うと思われる。すべてのBAR ドメインがおそらく湾曲した脂質を結合するのであるが、BAR ドメインのサブセット(一部)は膜の湾曲を実際に誘導することが出来る。したがって、BAR ドメインは小胞形成の過程において、標的タンパク質が湾曲した膜に移行する、もしくは膜の湾曲の誘導を物理的に助けるところで機能することが予測される。
構造
アンフィフィシン(amphiphysin)のBAR ドメインは、およそ210アミノ酸残基の長さを持ち、3本の突出したα-ヘリックスから成るコイルドコイル構造で出来ている。2つの単量体が二量体を形成して、6本のヘリックスを持つバナナの形をした機能的な束になる。正電荷は、バナナ様構造の先端および凹面の表面に沿って集積している。これらの正電荷は、湾曲した凹面の表面が直径約220オングストロームの球形の膜に当てはまるような、リン脂質への結合を媒介すると考えられている。
参考文献
- Peter, B.J. et al. (2004) Science 303(5657), 495–499.
例: ドメインタンパク質
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生
