その他: IQ ドメイン(領域)
The IQ motif of Myo2p bound to Mlc1p N-lobe (red) and C-lobe (yellow).
ドメインの結合および機能
IQ ドメインはおよそ25アミノ酸残基の長さをもち、自然界に広く分布している。モチーフはコンセンサス配列(保存された配列)として [I,L,V]QxxxRGxxx[R,K] の規則に従い、Ca2+ 依存性にカルモジュリンと結合することが出来る両親媒性の7回ターンのα-ヘリックスを形成する。IQ モチーフは、密集した、あるいは拡張した軽鎖の立体配座をとる。カルモジュリンは、主要な細胞内2次シグナルであるCa2+ の効果を媒介し、ミオシンなどのタンパク質によって媒介されるアクチン細胞骨格系の変化を刺激することが出来る。ほぼすべてのミオシンタンパク質が、1つから7つの間のIQ ドメインを持ち、そのほとんどが、9-16アミノ酸残基によって隔てられた多くのタンデムの繰り返し配列の中にある。さまざまな組合せのタンパク質由来のIQ モチーフによってカルモジュリンを結合すると、Ca2+ のシグナル伝達が広範な細胞の活性に影響を及ぼすことが出来る。少なくとも1つのIQ ドメインを含むタンパク質には、ミオシン、圧-調節性チャンネル、神経成長タンパク質、ホスファターゼ、精子の表面タンパク質、Ras 交換タンパク質、紡錘体会合タンパク質、少なくとも1つのRasGAP 様のタンパク質、ならびに幾つかの植物に特異的なタンパク質がある。
構造
IQ ドメインは、明らかに両親媒性の、連続した7回ターンのα-ヘリックスを形成する。このヘリックスの非極性の面は、5回目のターンの後で向きが入れ替わり、リガンドが接触するための新たな表面を作る。カルモジュリンとの相互作用にとって重要なアミノ酸残基は、1位の疎水性アミノ酸、2位の高度に保存されたグルタミン、6位と11位の塩基性の電荷、そして7位の変異しやすいグリシンである。この7位のグリシンを、およそ50%のIQ ドメインで見られるような、かさばった側鎖を持つアミノ酸と置換すると、カルモジュリン相互作用にある種の特異性を与えることが出来る。IQ コンセンサス配列の中に挟まれた6個の中間のアミノ酸の同一性が、カルモジュリン特異性に関与すると思われる。
参考文献
- Terrak, M., (2003) EMBO J. 22(3): 362–371.
例: ドメインタンパク質
例: ドメインタンパク質と結合パートナー
| IQ Domain Proteins | Binding Partners |
| Myo2p (class V myosin) | Mlc1p (calmodulin-like myosin light chain), Ca2+-independent |
| Neurogranin | CaM (calmodulin), Ca2+-independent and regulated by PKC phosphorylation of the IQ motif |
| Ras-GRF (exchange factor) | CaM (calmodulin), Ca2+-induced binding to IQ domain |
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生