リン脂質結合: PH ドメイン(領域)
The PH domain from rat PLC δ1 bound to Ins(1,4,5)P3 (red).
ドメインの結合および機能
PH(Pleckstrin-homology; プレクストリン相同)ドメインは、構造的に十分解析された約120アミノ酸残基からなるモジュールで、細胞内動態、細胞情報伝達、および細胞骨格再構築に関与する大変多様なシグナル伝達タンパク質に見出される。ヒトのプロテオームにはおよそ250のPH ドメインがあるが、これらのすべてが、2つのほぼ直交するβ-シートから成るβ-サンドイッチ構造が7本つながった折りたたみ構造を共通して持つ。このPH ドメインのβ1/β2 ループにある塩基性のアミノ酸残基は、ホスホイノシチドの頭部のリン酸基との間に、良く解析されている結合部位を形成する。いくつかのPH ドメインは、ホスファチジルイノシトール(PI)-4,5-ビスリン酸、PI-3,4-ビスリン酸、あるいはPI-3,4,5-トリスリン酸のような特異的なホスホイノシチドに高い親和性(低いµM ないしはnM レベルのKd 値)をもって結合する。ホスホイノシチドへの結合によって、PH タンパク質は、膜へ局在してシグナルを下流の標的に伝達することによって脂質メッセンジャーに応答できるようになる。
参考文献
- Ferguson, K.M. et al. (1995) Cell 83(6), 1037–1046.
例: ドメインタンパク質
例: ドメインタンパク質と結合パートナー
| PH Domain Proteins | Specific Phosphoinositide Ligand |
| Phospholipase C-δ; mSos1, RasGAP; Tsk, pleckstrin | PI-(4,5)-P2 |
| Btk; Grp1 | PI-(3,4,5)-P3 |
| Akt; DAPP1; TAPP1 | PI-(3,4)-P2 |
翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生