リン脂質結合: PX ドメイン(領域)

Phospholipid Binding: PX Domain

The PX domain of human p40phox bound to PI(3)P (red).

ドメインの結合および機能

PX(Phox homology; Phox相同性)ドメインは、およそ120アミノ酸残基からなるリン脂質結合ドメインである。PX ドメインは250種類以上のタンパク質で見出されており、それらの中には、HADPH オキシダーゼ複合体の構成成分のp40phox およびp47phox、選別ネキシン(nexin)、ホスホリパーゼD1 およびD2、そしてPI3 キナーゼやCISK キナーゼが含まれている。PX ドメインは、4つのα-ヘリックスから成るらせん状のサブドメインに続く、N末端の3本のつながったβ-シートを持つ。PX ドメインは、その他のホスホイノシチドに結合するという報告がされているが、PtdIns(3)P(ホスファチジルイノシトール-3‐リン酸)に優先的に結合する。PX ドメインを持つタンパク質は、タンパク質の選別、小胞輸送、およびリン脂質代謝などを含む広範な機能に関係することが示唆されている。

構造

構造を基にしたPX ドメインとホスホイノシチドの相互作用は、PI(3)P と複合体を形成したときのp40phox とVmp7p のPX ドメインの構造から決定された。すべてのPX ドメインとそこに結合するホスホイノシチドの相互作用には、1位のリン酸基とイノシトール環が関与する。良く保存された92番目(p40phox の場合)のリジン残基(K92)と1位のリン酸基の間の水素結合が、このグループとの相互作用の中でもっとも重要である。59番目(p40phox の場合)のチロシン残基(Y59)はPX ドメインの中に脂質結合ポケットの底部を形成し、それによってPI(3)P のイノシトール環がそこにしっかりと積み重なるようになる。この炭水化物-芳香環の積み重なりは、共通した結合様式であるように思われるが、それはすべてのPX ドメインが、これと類似の部位にチロシンまたはフェニルアラニンを持つからである。

参考文献

  1. Bravo, J. et al. (2001), Mol. Cell 8 (4), 829–839.

例: ドメインタンパク質

Phospholipid Binding: PX Domain

例: ドメインタンパク質と結合パートナー

PX Domain Proteins Binding Partners
p40phox PI(3)P
p47phox PI(3,4)P2, PI(3)P
Vmp7 PI(3)P
SNX PI(3,5)P2, PI(4)P, PI(5)P
PLD1 PI(3,4,5)P3
CISK PI(3,4,5)P3
PI3K (Class II)

翻訳監修: 大阪薬科大学 生体防御学研究室 天野富美夫先生

Reference